2016/11/04

ナムコミュージアムVOL.4


【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1996年11月8日(PlayStation the Best版:1999年10月28日)
【定価】5,800円(PlayStation the Best版:オープン価格)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】オムニバス
【周辺機器】ネジコン、アナログジョイスティック対応
【受賞】1996年:CESA大賞'96ゲームジャンル別賞バラエティ賞




昔のナムコが好きだ!その4


【ストーリー】
 お陰様をもちまして、当ミュージアムも第4弾を迎えました。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と、スタッフ一同心より感謝しております。そこで今回は、そういった感謝の意味も込めまして、比較的記憶に新しい1984~1988年にかけての作品を集めました。もちろん、当時好評を博した作品が中心となっております。オールドファンのみならず、若いファンの方々にも馴染みのあるものが多いのではないでしょうか?それでは本日も「ナムコミュージアム」をごゆっくりお楽しみ下さい。




【収録作品】
01.パックランド(84年8月)
02.イシターの復活(86年7月)
03.源平討魔伝(86年10月)
04.アサルト(88年4月)
05.アサルトプラス(88年)
06.オーダイン(88年9月)






【概要】
 ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が地球一輝いていた頃に発売されたアーケードゲームの数々を完全移植で複数収録したオムニバスソフト。ゲームのみならず、多くの関連資料や同社の会社資料までも収録したプレイステーション用ソフトとして、全6本が順次発売された。本作はその第4弾。『アサルト』、『アサルトプラス』は家庭用ゲーム機では初の移植で、別売りの周辺機器「アナログジョイスティック」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)に対応。

 また、『イシターの復活』は特別付録「PERSONAL PASSWORD NOTE,ROOM NAME NOTE,おまけ」シートが同梱されている他、本作独自仕様の「裏イシターの復活」が追加されている。オリジナルグラフィックやサウンドが楽しめる「劇場」では、ロボットバンド「ピクパク(PIC-PAC)」の歌が聴けたり、資料類が閲覧できる「図書室/展示室」には、広報誌「namco COMMUNITY MAGAZINE NG」に冨士宏氏が連載していた『迷廊館のチャナ』も全23話中13話までが収録されていたりと、今作もナムコファンなら死んでも買おう!



【ゲームシステム】
 ミュージアム内の基本構成は前作『ナムコミュージアム VOL.3』と同じだが、演出やグラフィックは大幅にパワーアップし、隠し要素や裏技も充実している。

 『アサルトプラス』は隠しゲームとして収録されている。出し方は、ミュージアム受付の階段を上って一番左側にある真っ暗な部屋に入り、上+△+L1+R1ボタンを同時に押す。入力が成功すれば効果音と共に女性司令官が現れるので、正面で○ボタンを押す。すると、リアル等身だった女性司令官が三頭身のディフォルメモデルに変化し、部屋の中央にある台座の前で再び○ボタンを押せば、『アサルトプラス』専用の「ゲームルーム」に入る事ができるのだ。

 また、「パックマン」を主人公に収録作品のキャラクター達が織り成す従来通りのオープニングムービーとは別に、今作では隠しムービーとして『源平討魔伝』のプロモーションビデオ映像をオープニングで見る事ができる。方法は、プレイステーション本体の電源を入れてすぐにL1+R1ボタンを押し続けていればオッケー。10分弱あるオリジナル版を3分ほどに編集したものではあるが、『ゼイラム』や『牙狼-GARO-』シリーズの雨宮慶太氏が監督を務め、実写と特撮とアニメを組み合わせたPVは、往年の特撮ドラマ『怪奇大作戦』っぽい雰囲気もあったりなんかして、なかなかの見応えだ。


【総評】
 シリーズ4作目という事で円熟味を増した今作。ミュージアムから各ゲームモードへの移行はよりスムーズになり、ロード時間は更に短縮。前述した隠し要素や裏技、ちょっとした演出に至るまで、もはや貫禄さえ漂わせる作りとなっている。また、既にファミコンやPCエンジンへ移植されている比較的メジャーどころと共に、家庭用ゲーム機初移植となった『アサルト』と『アサルトプラス』を加えた収録作品群のバランス&コストパフォーマンス。いや、もうね、まだ買ってない人がいたらとにかくこれだけでも買おうよと。

 グラフィックの回転、拡大、縮小を得意としたアーケード基板「SYSTEM II」による開発第1弾ゲームだった『アサルト』は、「SYSTEM II」の特徴と類似した機能を持つスーパーファミコンでの発売を期待していたものの、その特殊な操作性故に、家庭用ゲーム機への移植は本作まで待つ事になった。一方、既に高い再現性でPCエンジンに移植されている『パックランド』、『イシターの復活』、『源平討魔伝』、『オーダイン』も硬軟バランスよく収録。この隙のなさ。完璧じゃないすか?

 前述した『源平討魔伝』PVも含め、前3作よりも更に資料性が高くなったのもナムコファンには嬉しい。『アサルト』では『機動戦士ガンダム』や『タイムボカン』シリーズのメカニックデザイナーである大河原邦男氏による初期デザイン画や企画書まで収録。そして、なんと言っても「図書室/展示室」で読む事のできる『迷廊館のチャナ』!冨士宏氏特有の温かで柔らかなタッチで描かれる少女「チャナ」と、「扉」の向こうに住む「オルオル」の小さな大冒険。未だ単行本化されておらず、現在でも読めるのは当時のNGか本作のみという薄幸の作品ではあるが、『午後の国』同様に良作なので、どこか単行本化して下さい!(血の涙)

 「劇場」でライブを行っているロボットバンド・ピクパクについても触れておきたい。ビデオゲームと並び、ナムコでは60年代から「仕事ロボット」、「単機能型ロボット」、「エンターテインメントロボット」、「自立型知能ロボット」など、80体以上のロボット開発を行っていた。その実績から、85年に開催された国際科学技術博覧会(つくば科学万博'85)にて、マスコットキャラクター「コスモ星丸」のロボットを開発。ナムコ単独でも84年11月17日にリリースしたロボットバンドが演奏を行った。これがピクパクだ。

 ドラムスの「ストロボ・ゴンザレス」、ヴォーカルとキーボード担当の「マリア・ソケット」、ギターの「デジタル・トメIII」のメイン3体に、司会兼マネージャーの「まじめんたろう」と5体のバックコーラス「ザ・カスタネッツ」による5種9体のロボットで構成されたグループ全体をセンターコントロールシステムで制御し、更に各機の歌や演奏、セリフ、挙動などはレーザーディスクによる信号で制御していた。また、拍手や歓声など、観客の反応を音情報によって判断し、それによってショーの構成を変更して観客とのコミュニケーションを図ったという。総制作費は1億5,000万円。貸し出しも行っており、そのレンタル料は諸経費を除いて1週間で350万円だったそうだが、現在は全て所在不明との事。

 本作では3Dキャラとして蘇ったピクパクが劇場でのBGMとして「ピクパクのテーマ」と「ロボットマーチ」の2曲を奏でている。最近知ったんですけど、これ、「ピクパクのテーマ」の作詞がEPOで作曲が清水信之、「ロボットマーチ」の作詞作曲が大貫妙子って!2曲ともどこからどう聴いても80年代テクノポップ全開な曲なので、忘れた頃や疲れた時に聴くと泣けます。ちなみに、歌は前述した様にLDから流れているため、実際にロボットが楽器を演奏しているわけではないが、そこはロボットに「かわいげ」や「情緒」を求めるナムコらしさの表れ。ナムコのこういうところが好きなんだよー!ソフトバンクに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい!←いらん事書くな。また、本作のロード画面ではピクパクの他にも「マッピー」や「キュージくん」ら、往年のナムコ製ロボット達のCGが表示されるので、これまたナムコファンは嫁を質に入れてでも買うべし!マジで!


【2018.10.25.追記】
 マッグガーデンのWebコミックスサイト「MAGCOMI」にて、『迷廊館のチャナ』が25年ぶりに完全新規復活で連載開始。




Books
『迷廊館のチャナ』1巻










【著】冨士宏
【発売】マッグガーデン
【発売日】2019年8月26日
【定価】600円


 18年10月より上記「MAGCOMI」で連載が開始された『迷廊館のチャナ』、待望の単行本化!第1話「開かずの扉」から第8話「三人の迷走」までを収録。NG掲載時との相違点やラフスケッチなども掲載されており、往年のナムコファンは全員読むべし!



Produced by NAMCO LTD. (C)1996 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

0 件のコメント:

コメントを投稿